こんにちは、ワイパカ(@WhiteParka753)です。
いざ、不動産投資を始めようと色々と調べていくと、法人名義で購入した方が良い、というような論調を見かけることがありませんか?
僕は最初の購入時点においては、そのような情報に触れなかったので、個人名義での購入しか選択肢としてはなく、そのまま突き進みましたけど…
不動産投資を始めるってことでも色々とやることがあるのに、その上で会社設立ってハードル高いですよね?
とはいえ、不動産投資を進めていく上で、その方が有利であれば会社設立した方がいいのか、と悩むと思います。
そこで、「個人」、「法人」のそれぞれのメリット、デメリットをご紹介した上で、どちらにすべきかを決めるただ一つの判断基準をお伝えしていきたいと思います。
不動産投資における個人 or 法人それぞれのメリット・デメリット

不動産投資を実施するにおいて、個人名義で購入すべきか、法人名義で購入すべきかの議論がよく行われていますよね。
よく議論が行われているということは、単純な正解っていうのがなく、個々人の状況や諸々の環境によっても異なってくると言うことなのです。
つまり、これには一概に正解がないため、議論が尽きないのですが、実際に不動産投資に取り組むにあたっては、双方のメリット、デメリットを理解した上で、自分の方針を決めて取り組むことがよいと思います。
以下に、個人名義と法人名義で購入する場合のメリット・デメリットを記載します。
個人名義で購入するメリット・デメリット

【個人名義で購入するメリット】
- 会社設立などの事前準備が特に不要
- 金融機関に提出する書類が少ない(源泉徴収票、通帳、住民票くらい)
- 赤字となった場合、個人での税金(所得税、住民税)を抑えることができる
【個人名義で購入するデメリット】
- 融資上限がある(年収の20倍程度)
- 所得税が累進課税により高額になる
法人名義で購入するメリット・デメリット

【法人名義で購入するメリット】
- 資上限が個人に比べて高い
- 節税効果が高い
- 経費として活用できる幅が大きい
- 損失繰越期間が長い(最大10年間)
- 将来的な相続税の節税対策が可能
【法人名義で購入するデメリット】
- 会社設立の手続き、費用が必要
- 売上がゼロでも税金がかかる(7万円程度/年)
- 社会保険料の手続き、支払いが必要
- 所属先企業の就業規則に抵触する可能性が高い
セミリタイアを目指すサラリーマンにおけるたった一つの判断基準

個人名義 or 法人名義の特徴をざっくりまとめると、個人は融資上限が相対的に低いが手間がかからない、一方、法人は融資上限は個人より高いものの、会社設立の手間や費用、会社の維持費がかかる、といったところでしょうか。
上記は、不動産投資において一般的に言われていることだと思いますが、それを踏まえて、僕が考えるサラリーマンにおけるたった一つの判断基準は以下です。
- 【たった1つの判断基準】
- ・会社バレのリスクを許容できるか
突き詰めると、この1点です。
不動産投資において、セミリタイア(FIRE)を目指していくことを前提とすると、セミリタイア可能なところまで拡大していくことが目標となるはずです。
不動産投資を拡大していくということであれば、税金面、融資面、保険面など総合的にみて、最終的には法人の方が有利となるのは事実です。(細々とやるということであれば、この限りではなく個人で良いと思います。)
税金面での優位性

セミリタイア後、専業の不動産賃貸事業者になる場合、年間所得が330万円以上の場合、法人税と所得税の関係上、法人の方が有利です。また法人化をしていれば、所得に応じた法人と個人への配分のコントロールなども検討できるので、税金への様々な対策が可能です。
融資面での優位性

サラリーマンとの兼業においては、法人設立しても個人の与信とセットで見られるため、あまり違いはありませんが、融資額が個人としての上限を超える or セミリタイア後の融資となった場合、事業性融資という位置づけとなるため、法人格の方が金融機関からの信用が上がります。
セミリタイア後、拡大はしない、一切融資は受けない、ということであれば話は別ですが、拡大する可能性があるのであれば、法人が有利です。
年金・保険面での優位性

セミリタイア後、国民健康保険に入ることになりますが、所得に応じた支払いとなるため、結構に高額になります。一方、法人設立し、役員報酬をもらう形になると、全国健康保険協会(通称:協会けんぽ)に加入することになり、保険料は役員報酬に応じた金額となります。
所属が違うだけで、どちらも似たような感じに思えるかもしれませんが、大きな違いがあります。
法人の方は役員報酬に応じた保険料となるため、役員報酬の多寡により保険料が変わります。
つまり、役員報酬をコントロールすることにより、健康保険料を抑えることが可能となるのです。
なお、サラリーマンとして会社勤めの間は、法人からの役員報酬をゼロにしておくことで、法人側の健康保険料の支払いはなくしておくことができます。
以上の観点により、会社バレのリスクを許容できるのであれば法人名義、許容できないのであれば個人名義というのが僕の結論です。
ただ、法人、個人のどちらにしても、サラリーマンの副業に不動産投資は最適です。

サラリーマン大家だった経験を踏まえた見解

僕が最初に不動産投資を始めたときは、法人化するという発想がなかったため、法人化の選択肢はありませんでした。
僕は個人名義で物件を取得しており、サラリーマンを辞める3年前に法人設立をし、そこからは法人名義での取得に切り替えました。なお、3年という期間はゴールから逆算したわけではなく、結果的に3年になったというだけです。
もし、不動産投資を始めた当時、法人化の選択肢があればどうしてたか、と問われたとしても、個人名義でスタートしたと思います。
その理由は以下です。
【スタート時点においては個人名義を選ぶ理由】
- スタートする時点では、うまく拡大していけるかどうかわからない
- 会社バレのリスクを極力下げたい
うまく拡大していけるかどうかわからない

スタート時点においても、将来的には拡大していきたいという思いは抱いていましたが、最初の1棟目を購入して大丈夫なのだろうか、という悩みの方が非常に強く、そこまで将来を見通すことができていませんでした。
思いはあれど、まだまだ不確かな未来であり、1棟目も購入していない段階でのその後の確信は持てないからです。
会社バレのリスクを極力下げたい

本業がサラリーマンであり、その仕事は疎かにしていませんでしたが、副業での不動産投資が会社にバレてしまうと、変な噂が立ってしまい、本業の方に悪影響を及ぼす可能性があるため、会社バレは絶対に避けたいです。
そのため、サラリーマンを辞めるまでは会社の人たちには誰一人伝えませんでした。
また、確定申告時においても、住民税を普通徴収(自分で納付)とし、会社にバレないように細心の注意を払っていました。
万一、何らかの理由でバレてしまった場合にも、「実は親族の相続で引き継いでしまって、、、」という言い訳をすることも考えていました。(結果的には使いませんでしたが…)
なぜ、法人化すると会社バレのリスクが高まるかというと、法人を設立すると法人登記をすることになるため、誰でも見ようと思えば登記内容が見れる状態になります。
法人登記の検索キーは、会社名称 or 会社所在地となるため、個人名での検索は困難ですが、住所からは検索することが可能です。
そのため、自分が住んでいる住所を検索すると、会社名が出てきてしまいます。そして、その詳細情報を確認すると、代表者として自分の名前が出てきてしまうのです。
法人化をしていると、もし会社にバレてしまった場合、個人で実施している時よりも言い訳が難しくなる気がしました。
このあたりも程度問題かもしれませんが、僕としては、極力会社バレのリスクを下げたかったという判断です。
なお、法人設立において、親や配偶者を代表者にするとか、拠点を自宅とは別にするとか、やり方はないわけではありませんが、金融機関からの融資に影響する可能性もあったため、その選択はしませんでした。
なぜ、サラリーマンの間に法人設立したのか

これにも理由があります。
法人として不動産事業に融資を受けるとなると、直近3期の黒字決算が必要と言われているからです。
つまり、サラリーマン引退後に法人設立すると、そこから3年間は融資が受けられなくなってしまう可能性が高いからです。(融資基準は金融機関にもよるところではありますが、新設法人には厳しいのが現実です。)
そのような事態は避けたいと思い、事前に法人設立しました。
法人設立の際は、数年後、サラリーマンを引退するということを明確に決めていましたため、個人の時より会社バレのリスクは高まることになりますが、辞めた後のメリットと辞める前のリスクとを天秤にかけて法人設立の判断をしました。
まとめ
お伝えしたいポイントは、以下の通りです。
- セミリタイア(FIRE)を目指して拡大していくのであれば、「法人」がベター
- 「個人」と「法人」の判断基準は、会社バレのリスクが許容できるかどうか
- 最終的には「法人」が有利となるため、どこかのタイミングで設立することがよい
不動産投資に限らず、副業については、所属する会社にもよりますが、あまり副業に歓迎しない会社であれば、極力会社バレしない方が良いと思います。
バレてしまうと、色々と周りが騒がしくなりますし、本業でミスなどしてしまった場合に、副業のせいにされたりする可能性もあります。
ただし、将来の拡大においては法人化しているほうがメリットが大きいのですので、皆さん自身の状況を見ながら、最終判断をしてもらえればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ブログを読んでくれた皆様によいことがありますように!
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